
NHKで西田敏行司会の「こころの遺伝子」という番組があり、第一回目のゲストが三國連太郎さんでした。
番組はゲストの人生を振り返り、出会った人からどんな影響を受けたのか、またどんなことを引き継いだのか・・・ということをインタビューと映像で進行していきます。
三國さんといえば今でこそ「釣りバカ日誌」のスーさんというイメージが強いですが、私は「八甲田山」での山田少佐役や「マルサの女②」のえせ教祖役が浮かびます。
とにかくこの方の印象は言葉にすると「迫力」です。
「八甲田山」では、外部への見栄のため大連隊を組み無謀な雪中行軍の訓練を行い、多くの隊員を亡くしてしまうんんですが、その一筋縄ではいかない「迫力」のある演技が映画に大きく影響しています。神田大尉(北大路欣也)は苦労してました(笑)。

八甲田山
「マルサの女②」では、脱税の取調べ中、自分を自分で殴り、壁に頭をぶつけて血だらけになりながら訴えるシーンが印象的でした。

マルサの女2
この方のこの「迫力」はどこからくるんだろうと思っていました。
今回の番組で、いろいろお話されてましたが、若いときに日本の右ならえ的な教育がいやで家出をし中国や朝鮮半島を放浪したり、映画界に入ってからも自分のやりたいことはいったいなんなのかを求めるあまり世話になった松竹映画からの絶縁、そして家族との縁を切って、全財産を投入して映画作りを行うなど、破天荒な人生を語っておりました。
彼は「生き抜く」ためという言葉をつかってました。
その「生き抜く」ために死ぬほど悩み、そしてがむしゃらに実行してきたという経験が演技にそのまま出ているんだなあと感じました。
最近、そんな迫力のある俳優さんが少なくなったような気がします。
昔ほど食うや食わずの生活ではなくなった今、私も含め人間がだらけてるのかなとも思い反省しております。(収入は少ないががんばってますよ!)
ただ、いつの時代もなにも考えず毎日暮らそうと思えば暮らせるし、なにか新しいことや変革を求めれば悩んだり衝突したりすもんだと思うので、結局は自分自身ですよね。
三國さんの番組を見て、今の自分はどうなんだ!・・・と悩んでいる42歳後厄の今日この頃です。